まこと幼稚園ブログ
2024.01.19
講演会 “年齢にあった表現活動のポイント”
明日から始まるさくひんてんに合わせて、おうちの人に向けた講演会をしました。
講師に平安女学院幼児教育センターのセンター長をされている塩見先生にお越しいただきました。
先生は、まこと幼稚園の先生たちに絵画指導の方法などを教えてくださっている先生たちの先生でもあります。
とっても楽しいお話で、時間があっという間に過ぎていきました。
その中で、なるほど!と思えたこと、おうちの人が子どもたちの絵画造形の楽しみを育む方法をご紹介します。
小学生以上になると“勉強”するのが基本となっていきます。
幼児のうちは勉強ではなく、感覚で学んでいく、身体で覚えるスタイルです。そのような年齢の時にいろんなことにチャレンジして欲しい、いろんな可能性を伸ばして欲しいですね?
そこで、どのように大人が対応していったらいいでしょう?
それは一緒になって楽しむ、ということ。
この色きれいだな、こんな形面白いな!と話しながら一緒にやること。
楽しんでいる姿を見せるのが子どもにとって良い刺激となって“楽しいな!やってみたいな!”に繋がっていくそうです。
実例として、ハサミを使った簡単な切り絵でできる工作を紹介していただきました。
「ここをこんなふうに切って…どうなるかな?」
お喋りしながらチョキチョキ
何ができるのか全く予想できません!
切ったものに棒状の紙をホッチキスでつけると、羽ばたく鳥ができて、みんなびっくり!
「何か餌をあげてちょうだい」
「どうぞ」
こんなやり取りをして子どもたちと楽しめますよ!また、これを見たら絶対に作りたい!となること請け合いです
ゾウさんを作ってもらったよ!
型紙はこんな感じ。ピッタリ同じでなくてもよく、半分に折った紙を切って作ってみてください
(底辺が二つ折りのつながった部分)
子どもたちの育ちと造形の役割について、また幼児画の魅力について、実際にまこと幼稚園の園児の絵を紹介しながらお話いただきました。
さくひんてんでは年齢別に展示しており、年齢にそって成長の過程を見ることができます。
小さい時はこうだったな、大きくなったな。また、大きくなったらこんなことまで出来るようになるんだ、そんな視点で見ていただけたら、と思います。どの子の絵も素晴らしく、選ぶのを迷うほどでしたが、年齢的な特徴がよく出ているものを抜粋して紹介されました。
たんぽぽ組さん
可愛いですね!この年齢でしか描けない絵です
端から端まで一生懸命塗っているのが伝わってきますね!
年少組さん
だんだん人の形に近づいてきました。にっこり笑った顔が微笑ましいですね!こういった絵を描けるのは平和だから。(世界の紛争地帯の子どもたちの絵は口がまっすぐで笑っていないそうです)
年中組さん
観察画でかぼちゃ
よく見て描けているね!
年中組さん
墨で表から線を描き、裏から着色しているので色が濁らない、その解説にみんな、ほ〜!と感心
年中組さん
玉入れ
この年齢になってくるとこんな風に集中力ができてくるんですね!いっぱい丸を描くのもすごいけど、ちゃんと塗っているところもすごいですね!
年長組さん
細かいことが集中してできるにようになってきたのがよくわかりますね!
茎の形もよく描けているね!
暮らしの中で…
子どもが絵や制作をしていてうまくいかない、やり直したい、と言い出す時、ありますね?
そんな時どうすれば??
子どもが失敗した、と感じたことに対し
「こうすればいいんじゃない?」とアドバイスをしてみる。
それでも「失敗だ、続きをしたくない!新たにやりたい!」と続きをすることを聞き入れなかった場合は新たな紙を渡すが、「これ、面白いし続きをしてもいい?」と聞いて、隣でおうちの人が「この形面白いな〜!ここ、こんなふうにしよう!わー、いい感じになった!」とか言いながら楽しく続きを描いてみせる。
それを見て、こだわってた失敗が失敗ではなかったんだ、そういう考えもあるんだ、と感じることにつながっていくそうです。
そういった経験をいっぱい積んで、物事を楽観的に捉える心、集中力や応用力などが育まれていくことにつながる、とお話しされました。
明日から始まるさくひんてん。
「上手やな、うまいな」よりも「これ好き、いい色やな」と“好き”をいっぱい伝えてあげてください。
これが子どもの心に響く最高の褒め言葉なんですって😀
おうちに持って帰った時には「これ大好きやし、ここに飾ろう!宝物にするわ!」と、みんなの見える場所に飾ってあげてください。
いつまで飾るか?
2〜3日で下げてもいいそうです。
「また次にいいのが出来たら飾ろうな、それまで空けとこうな」でいいそうです😁
それを聞いて「次もいいの描くからね!」と思ってくれるようですよ!